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はじめに

男の雌堕ち(Sissy、メス化、女装、男の娘)をテーマにした創作・コラムなどを書いています。18歳未満の方は閲覧をご遠慮下さい。小説やキャプションなどはすべてフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

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近況

暑い。もう人間やってられません。魚になりたい。

「上下」いかがでしたでしょうか。
S男がM女に堕ちるお話を前々から書いてみたいと思ってました。
今回はチャレンジの意味も込めてあえて文字数を増やしました。
三万字近くあります。過去最高に長いです。
しかし、やっぱり長編を書くのはムズかしい。

気分転換に「診察室」という短いお話を書きました。
テンポ良く書けたのでけっこう気に入っています。
雌堕ち要素はかなり薄いですけど。

ネットで読むものは短いほうが良いと思ってるのですが、
極端なところまでいくと、「54文字の物語」というスタイルがあります。
ツイッターで話題になってたので自分も書いてみました。

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創作ばっかりやってます。お金のかからない趣味です。
女装もしたいのですが諸々の諸事情で完全休止中。

診察室

 工藤麻里子は診察用のタブレットから顔を上げた。
 患者は若い男性。長い睫毛が特徴的で、清潔感があった。
「それでお髭の脱毛ですが、日焼けには注意してください。レーザーで火傷する可能性がありますので」
「はい、大丈夫です。いつも日焼け止めクリームを塗ってますから」
 それだけではなく男性は薄く化粧をしていた。
「先生、痛みはどうなんでしょうか。昔と比べるとマシになったと聞くんですか」
「以前は輪ゴムで弾かれるくらいの痛みと言われてましたが、今は指先でトントンと叩かれる感じです。回数も三〜四回くらいで終わります。期間にして半年くらいですね」
「そのあとはもう生えてこないですか?」
「ええ、もちろん。治療をお受けになりますか?」
「ぜひ、お願いします」
「では、この書類にサインを」
 男性は丸っこい字で名前を書いた。
「先生のお肌ってとっても綺麗ですけど、何か秘訣があるんですか?」
「え、ああ、美容クリームを使っていて。当院で販売してるものです」
「わあ、絶対買おう!ありがとうございました」
「お大事に」
 麻里子は軽く息を吐いた。最近はああいう患者が増えた。美意識が高いというより、方向性が間違っているというか。
 助手のユリが診察室に入ってきた。小動物のようなクリクリした目が愛らしい女の子だ。
「先生、次の患者さんのデータ、送りました」
「ありがと。さっきの人、美容クリーム買うかもしれないって」
「わお、さすが!商売上手ですね」
 美容クリームを一つ売るごとに麻里子には三千円のインセンティブが入る。
「ユリちゃん。今日のランチはいつもより豪華になるかもよ」
「キャー期待してます。それじゃ、次の方を呼んできますね」
 入ってきたのは美容外科というよりは泌尿器科が似合いそうな中年男性だった。
「初めまして。担当の工藤です。本日はカウンセリングですね。お顔の整形がご希望と」
 タブレットのカルテデータを確認する。整形箇所がズラリと並んでいた。
 おでこを丸くする、目を二重にする、鼻を小さくする、顎を削る、たるみを取る。顔面総入れ替えの大工事である。
「あの先生、これだけやれば女性的な顔になるでしょうか」
「形としては女性的な特徴を捉えてますが、大掛かりな手術になるので何日か入院が必要になりますよ」
「ええ、それは問題ありません。美しくなるためなら必要なことです」
「失礼ですが、お勤め先などでお顔が変わっても問題ないのですか?」
「いえ、これを機会に今の会社はやめようと思ってまして。美しい女らしい顔で新しい人生をスタートさせたいんです」
「わ、わかりました。それでは後日、術後のお顔のシミレーションと手術医と共にカウンセリングをして、そこで納得いただければ、手術をしましょう」
「ありがとうございます。ところで、先生のお肌はとっても綺麗ですが、何かされてるのですか?」
「ええ、当院で販売してる美容クリームを使ってまして、美白効果もあるんですよ」
「ぜひ、欲しいなあ」
「受付に伝えておきます」
 中年男性はペコリとお辞儀をして出ていった。入れ替わりにユリが入ってくる。
「今日は鰻行けるかもよ!」
「わあ、先生大好き!あの次の患者さん、カップルで来られてるんですが」
「旦那さんも一緒に受けるの?」
「いえ、旦那さんというか彼氏というか、その人が指示を出すとかなんとか」
「はあ、まあいいわ。通してちょうだい」
 入ってきたのは柄の悪そうな男と女装した男であった。
「担当の工藤です。よろしくお願いします」
「おお、さっそくやけど、先生並みに乳をボーンとデカしたってくれ」
 こういう無遠慮な男がまだ生き残っていたか。
 麻里子は苛立ちとちょっとした感動を覚えた。
「豊胸ですね。皮膚への影響を考えると、いきなりではなく少しずつ大きくしたほうがいいかと思いますが」
「なんや。わしはボインのほうが好きなんやけどな」
「美容整形とはいえ、健康を最優先に考えないといけないのです。ところで……」
 さっきからこの女装男は一言も発してない。ずっとおどおどしている。
「ご本人さんとしては大きさの希望はあるのですか?」
「いえ、私は」
 女装の完成度は高いが、声は男丸出しであった。
「こいつは気にすることあらへん。ワシが買ったんやからな」
「はぁ」
「元々、ホストで客の売り掛けを回収できなくなって、店がワシに回したんや。普通ならタコ部屋に放り込むんやけど、好みの顔してるからワシの女にしようと思ってな」
 確かにこの男は整った顔立ちをしている。人気のホストであることが容易に想像できた。
「ええと、ではこちらにサインを。手術の詳細と日程が決まり次第、ご連絡差し上げます」
「なるべくはよしてや」
 男は筆圧の濃い字で名前を書いた。下手過ぎてほとんど読めない。
「あの、ただいま当院では特別な美容クリームを販売しておりまして、こちらの方がより美しく…」
「いらんいらん。あんたみたいな年増と違って、この子はまだ若いから大丈夫や!」
「年増!?」
「ほな、そういうことで。よろしく頼むで」
 男たちが出ていった扉に向かって、無性に叫びたくなった。
 だから男って嫌い。
「午前の診察はこれで終わりで〜す」
「鰻は無理だったわ。でも、むしゃくしゃするから焼き肉ランチいきましょ!」
「キャー、すてき!」
「でも、その前に」
 麻里子はユリの腰に手を回した。
「男の相手ばっかり疲れたわ。私に癒やしをちょうだい」
 柔らかな太ももに顔を埋める。頬に当たるストッキングの感触が心地いい。
「なんだか最近はナヨナヨした男が増えましたよね」
「どうでもいいわ。男のことなんて」
「でもそのかわりウチは大繁盛じゃないですか」
「それもそうね。汚い男が減って、お金が稼げるなんて最高の世の中ね」
 ユリのスカートをずり上げて、下着に鼻を密着させて思いっきり深呼吸をした。
「あら、ちょっと湿ってるわね。クリちゃんを診察してあげましょうか」
 麻里子はレズビアンであった。ランチの時間は遅くなりそうだ。

上下 3

 湯気で曇った鏡の横に収納棚が三つ縦に並んでいる。一番上は男性用の物が置かれ、二番目も種類は違うが同じく男性用、三番目は女性用の物で数が一番多い。
 お湯を身体に流すと、尻穴に軽い痛みが走った。
 恐る恐ると手で触れてみる。血は付いていない。
 浴槽に身を沈める。強張っていた筋肉が解れていくのが分かる。
 しかし、先程の出来事を思い出すと、すぐさま身体は固くなった。
「怪我はしていませんか」
 磨り硝子の向こうから律子の声がした。
「大丈夫だよ」
「薬がありますから、遠慮なく言ってください」
 沢田に犯された。何が起こっているのか分からなかった。そのことに対して不快感を覚える以前に、私は圧倒的な現実に打ちのめされていた。強姦された女性はこのような無の感情に陥るのだろうか。
 尻に男性器が入った。同性愛者でもないのに。
 どれくらいの時間繋がっていたのか分からない。
 沢田は一通り楽しむと、風呂に入った。
 私はその後に入っている。風呂の中は沢田の体臭が漂っていた。
 鼻孔に入り込むその匂いが、沢田の腹、胸板、腕、性器の質感を蘇らせ、そこに実体はないのに抱かれているような気分になる。
 支配される、征服される、略奪される。どう形容していいか分からない。感じたことのない感情が私の中を暴れまわっていた。
 風呂から上がり、自分の服を着た。脱衣所を出ると、律子が立っていた。
「夕食、食べていきませんか?」
「本気なのか。あの男がいるんだろう」
 正直、沢田とは顔を合せづらかった。
 律子は相変わらず無口であった。ただじっとこちらを見るだけ。
「わかった。行くよ」
 柏木と沢田がすでに食事を始めていた。
「今日は簡単な物しかないんですが、どうぞ座ってください」
 家庭的な料理が並んでいる。これは律子が作ったものらしい。私は沢田の前に座った。
「律子の料理は美味いぞ。ここに来てから覚えたらしいんだが、筋がいい」
 沢田の言葉を無視して、味噌汁を啜る。確かに美味い。
「尻穴は大丈夫か。その様子だと怪我はしてないみたいだな」
 不思議と怒る気持ちにはならなかった。
 ただ沢田が一体なぜここにいるのかが気になった。
「沢田はここで暮らしているのか?」
「ああ。実家みたいなものだからな」
 柏木の方を見ると、お猪口で酒を飲んでいた。
「これは私の息子です。律子とは違い、本当に血は繋がっています」
「息子?」
「妻、正確には元妻ですが、彼女はハーフでね。これはクォーターというやつですな」
「俺が小さい時に離婚してね。母方に引き取られて育てられたんだ。親父と再会したのは四年くらい前だ」
「あまり似てないな」
「母の血が濃かったんだろう。まぁ、変態性は父親譲りだがね」
「お代わりはどうですか?」
 律子の横にはお櫃があった。
「いや、大丈夫。ありがとう」
 律子は沢田の妹ということになるのか。いや、弟か。
 色々なことが一気に起こったので、もう驚くことに疲れてしまった。
「今まで騙していたのか?」
「お互いのことは詮索しないのが蜘蛛の会の決まりだろう」
「それも最初から存在しないんじゃないのか」
「いや、それは本当だ。蜘蛛の会は実在するし、君も楽しんでいただろう。ただあの会には裏の目的がある」
「裏?」
「俺好みのS男を見つけて、M女に変えるのさ」



 女性派遣社員の名札には「三島」と書かれていた。
「これ言われていた資料です」
「ありがとう」
 三島は驚いたような顔をした。
「え、なにか?」 
「いえ、そのお礼を言われたのが初めてだったので」
「そうだっけか」
 確かに言った覚えがない。我ながら失礼な人間だった。
「午後からまた何個か仕事をお願いするから、よろしくね」
「はい」
 三島は弾んだ声で返事をして、席に戻った。
 何かが変わったのかもしれない。棘が取れたというか、余裕が出てきたような気がする。
 私は休憩がてらに便所に向かった。用を足していると、課長が入ってきた。
「溝口くん、寂しくなるよ。異動だってね」
「もう知られてるんですね」
 便器は空いているのに、課長は私の横に立った。途端に小便が引っ込んだ。
「新しい部署で今後我が社の命運を握る仕事を任されるそうじゃないか」
 課長の小便の音が勢いよく響いている。
「いや、僕なんか、まだまだですよ」
「困ったことがあったら何でも相談しなさい」
 課長は小便を出し切るために一物を振った。意外と立派な大きさであった。
 課長が便所から出てしばらくしてから再び小便が出た。
 手を洗い、階上にある休憩室に向かった。ガラス張りで周囲の建物が見渡せる開放的な場所である。自販機で紅茶を書い、カウンターに座る。
 昨日の沢田の話を思い出す。あいつはずっと私を狙っていたのだろうか。
 男に欲情され、男に犯される。冷静に思い返す。嫌悪感のようなものが湧き上がると思ったが、意外とそうでもない。ただ、言いようのない感情が胸に渦巻いていた。
 そして、それとは別のところ、肉体的な反応もあった。身体の奥底に疼きを感じる。自分では触れることができない場所を誰かに触ってほしい。
 これからどうすればいいんだ。
 携帯電話を取り出した。安藤友香に今週の会う約束に断りをいれた。
 そして、もう一つの携帯電話を取り出す。律子に会いたいというメールを送った。



 昼下がりの公園は家族連れや恋人たちで賑わっていた。
「どこか店に入らなくて良いの?」
「外が好きだから」
 緑が多くて、少し離れたところに大きな噴水がある。
 日差しもちょうど良くて、気持ちがいい。
 律子は一見して無表情に見えるが、頬が僅かに緩んでいるようにも見えた。この子は感情が無いわけではない。ただ上手く外に出ないだけだ。
「今日のこと柏木さんには言ったの?」
「ええ。家族ですから」
 家族。妙な引っかかりを覚えた。
「どうして家族なんだい。戸籍上はそうかもしれないけど、君と柏木さんの関係って……」
「SM、主人と奴隷」
 はっきりと言い切る律子に私は思わず周りを見回した。近くに人がいなくてよかった。
「でも根っこは家族なんです。だって傷つけられても一緒にいたいと思えるなんて、家族以外ないでしょう」
「そういうものなのか」
 目の前にはたくさんの幸せをそうな家族がいる。
 当たり前のことだが、自分にもあそこにいる子どもたちのように時代があったんだ。
「昔、子どもの頃、公園で遊んでいたときに、SM雑誌を見つけたんだ」
 なぜか私は語るつもりのない話を口にしていた。
 その公園がどこにあったかは覚えていない。端っこにちょっとした林があって、私は探検のつもりでそこに入り込んだ。空気が冷えていて、静かな場所だった。数冊の雑誌が落ちていた。そこには縄で縛られた裸の女性が映っていた。そのときは小学校の低学年くらいだったけど、これはいけないものだと直感的に分かった。それでも一歩一歩と足は雑誌に近付こうとしていた。駄目よ、由紀夫さん。母の言葉と共に視界が真っ暗になった。彼女は後ろに立って、手で私の目を覆い隠したのだ。私は黙って頷いた。
「いま急に思い出したよ。公園なんて滅多にこないからかな」
「それが始まりだったかもしれませんね」
「始まりか……その、僕は迷っているんだ。このままいくべきかってね。だってやっぱりおかしいよ」
「じゃあ、私もおかしい存在?」
「いや、君はその、特殊な生い立ちだし、柏木や沢田も変わっている。僕はごく普通の、いや恵まれた環境で育ったからね」
「恵まれた?」
「家は金持ちだし、いまは結婚を前提として付き合っている人もいる」
「私は自分を変わってるだなんて思ってないわ」
 意外な言葉だった。
 実の父親に犯され、女性ホルモンを射たれるなんてどう考えてもおかしい。
「普通って何?目の前にいる人たちが普通なの?」
 改めて聞かれると答えに困った。
「お母さんが生きていたとき、私のお父さんもああやって一緒に遊んでくれた」
 足元にサッカーボールが転がってきた。私が投げ返すと男の子が笑顔で受け取った。
「結局、決めるのはあなたよ。私は決めたの。家を出た時、柏木様に出会った時」


 
 蜘蛛の会の二階は薔薇の香りがした。造りは一階と変わらないが、化粧台が置いてあった。来る女達はSであれMであれ、皆ここで変身をするのだ。
 一通りの化粧は出来るようになっていた。人間とは不思議なもので顔に何か塗るだけで、立ち振舞が変わってくる。
 時間が来た。階段を降りていく。いつもより一階分長い。
 逆側が入る地下室はまったく別の場所に見えた。
 沢田が立っていた。
「この空間ではいつも関係性ではない。言葉遣いも気をつけろ。冷めるからな。俺の言うことには、すべて、はいそうですと答えるんだ」
 冷酷な口ぶりだった。不思議と反抗する気持ちは起こらなかった。男同士だが、こちらが女装していると、関係性のようなものが決まってくる。服を着た主人と裸の奴隷のように。
「これまでお前の責めを見ていたが、ぬるい。お前は鞭を振るうときや蝋燭を垂らすときに躊躇している。自分が主導権を握っているつもりで、実のところは相手に握らている」
「そ、そんな」
 横腹を思いっきり蹴られた。
「女奴隷にはこんなことはしないのだが、お前は男だから手荒くやるぞ。嫌なら従え」
 横っ面を思いっきり叩かれる。
「は、はい。申し訳ありません」
 実際、取っ組み合いになっても、体格差があるので沢田には勝てる気がしない。
 これが本当のSなのかもしれない。相手に圧倒的な恐怖を与え、絶対的な立場を刻みつける。これまで私がM女にしていたことなど児戯に等しかった。
「お前は相手を傷つけることを恐れていた」
「はい」
「お前はSな振りをしていただけだ」
「はい、そうです」 
「お前はM女になりたがっていた」
「はい、そうです」
 低い声が頭の中で何度も反芻される。言葉が自分の心を書き換えていく。
「これまで嘘をついていた罰を受けるか?」
 私は無意識に膝をついて、正座した。硬い地面の上で痛みを感じながらも、なぜか自分はそうしなければいけないという気持ちになった。
「愚かな私めを罰してください」
 人生で初めての土下座であった。股間は痛いほど勃起していた。
「服を脱げ。ただ、下着はつけておけよ」
 下着女装姿の痛々しい格好を晒す。
 沢田の一本鞭を道具箱から取り出した
 思わず息を飲んだ。その威力は充分すぎるほどに知っていた。
 空気を切り裂く音がした。一瞬で肌が焼け付く。
「あぁ」
 叩かれた腕は真っ赤に腫れ上がっていた。 
 再び鞭が振られる。思考が飛び、痛みだけが自分の全てになっていく。
 だが、私はそれを受けなければいけない。受けるたびに自分は解放されていく。
「これが本当の鞭だ。自分がいかに偽物だったが、痛いほど分かるだろう」
 腕、足、背中、腹、胸。それぞれに違う痛み。全身が腫れ上がり、一つの痛みとなって私を襲う。ある一点を越えると、意識に薄い膜が包まれたようになった。耳栓をしたように鞭の音が身体の内部で響いている。
「ありがとうございました」
 言われてもいないのに感謝の言葉が口から出た。私の心は確実にMへと堕ちていた。
「次は尻叩きだ。掘られるのが好きだろうが、今日は叩く」
 私は沢田の膝の上に腹ばいになった。勃起した股間が硬い太ももに当たる。
「俺に汚い精子をかけたら半殺しにするからな」
 沢田は尻を叩いた。何度も何度も。痛みは鞭をほうが強い。だが、力強い掌は私の心を直接叩いているようだ。
「ご、ごめんなさい。ごめんなさい」
 私は叫んでいた。何に謝っているのか分からない。
 ただごめんなさいと繰り返しいている。
 記憶が蘇る。幼い頃、父に躾と称されて尻を叩かれていた。我儘を言った時、成績が悪かった時、父の思い通りにならなかった時。その積み重なった記憶が一気に再生されて、大人の自分が一気に子どもの自分へと変わっていた。
 気がつくと私は沢田に抱きついていた。彼は拒むことなく私を受け入れた。
 涙を流していた。沢田は優しく頭を撫でてくれた。



「化粧、随分上手になりましたね」
 私の横で口紅を塗っていた律子が囁いた。
「あ、ありがとう」
 私は律子の手伝いなしに一人で女装できるようになっていた。服も自分で選ぶ。
 今日は柏木宅に招かれていた。  
 律子と共に責められる。妙な感覚だ。女同士の距離感というやつなのだろうか。
 しかし、自分の硬い肌と律子の柔らかな肌を見ていると、とても女同士とはいえない。
「今も女性ホルモンを取ってるの?」
「二週間に一回、注射を打ってます。ホルモンは始めると一生打たないと駄目なんです」
「一生か……後戻りできないんだよね」
「溝口さんのお年なら劇的な変化は期待しないほうがいいですよ。肌質と胸が少し膨らむ程度だと思ってください」
「僕は別にそこまでのつもりじゃ」
「でも、沢田様が命令したらやるんでしょう」
 即座に否定ができなかった。実際どうなるか分からない。男としての一生を棒に降る覚悟はないが、命令されたら。
「さあ、行きましょう。待たせるのは失礼ですから」
 隣の部屋を遊戯室と呼んでいるらしい。いつも布団が敷かれているところには、単管を組んで作られた磔台のようなものがあった。
「親父も人使いが荒いよ。こんな本格的にやらなくていいだろう」
 どうやら磔台は沢田が作ったらしい。
「今日は溝口さんの縄初めの日だからね。ちゃんと味わってもらわないと」
 私は律子と一緒に縛られることになっている。
 律子は裸。私は下着姿になる。
 視線が律子の下半身に向く。かつてあそこに自分と同じものが付いていたのか。今は平らである。自分も切り取れば、あのような股間になるのか。
まず律子から縛られる。柏木の持つ縄はそれ自体が意思を持っているかのように動いた。律子の柔らかな肌に麻縄が食い込んでいく。
 いつも無表情の律子がその時だけ少し苦しそうに見えた。
 次は私が縛られる。後ろで腕を組み、縄を巻かれる。手錠や足枷とは違い全身を拘束されていくと、心まで縛られていくようだ。
 いつか見た雑誌の女性と同じようなことをされている。それだけで股間が痛いほどにその存在を主張していた。隠したいが足も縛られているので、どうしようもない。
 縄で張り付き台に吊るされる。律子の苦しげな呻き声が聞こえた。私が一本鞭でどれだけ責めても崩れなかった律子が今まさに悶えている。
 次に私が吊るされた。皮膚に縄が沈み込んでいく。鞭のような瞬間的な苦しさではなく、じわりじわりと時間を掛けて効いてくる苦しさだ。
 沢田がこちらを見ている。自分が人間ではなく調度品になったような感覚がした。漏らす声や流れる汗すらも沢田の目を楽しめる要素に過ぎない。
「引き締まった体をしているから縄が映える。」
 沢田の手には二本の張り型があった。
「これを今からお前らに挿れる。落としたほうに蝋責めをしてやろう。お遊びじゃなくて本物の蝋燭だ」
 片方を律子の膣に、片方が私の尻穴に入る。
 尻穴にきゅっと力を入れるが、体が不安定なので踏ん張る加減が分からない。
 あっと思った瞬間には私の梁型がずるずると下がっていた。
「早すぎるぞ。まったくそんなに欲しいのか」
 私の上に蝋燭が垂らさせる。熱湯のような赤い液体が降り注ぎ、息が止まる。
 反射的に避けようとするが、縄で縛られているので身体は少ししか動かない。揺れるたびに色々な所に蝋燭を垂らされる。
 痛みのあまり涙が流れていた。一度流れるとあとは次から次へと流れる。化粧がどろどろに落ちていくのが分かった。
 それでも沢田は手を緩めなかった。雨あられのように蝋が降り注ぐ。
 いつ終わるのか、それすらも考えられない。
 だんだんと脳が痺れていき、ぼーっとしていく。
 それでもある部分の意識は鮮明に動いている。
 そこが痛みをすべて感知しようと動いている。
 視界の端では、律子も同じように柏木から蝋責めされていた。結局どちらもそういう運命だったのだ。
 苦しむ歪む顔。私もあのように悶ているのか。
 縄から降ろされると、私はその場に倒れ込んだ。
 肌は真っ赤に染まっていた。



「あっ、ピアノの音。懐かしい」
 安藤友香は目を閉じて、立ち止まった。
 どこからか聞こえてくるピアノの音に耳を傾けているようだ。
「昔、習ってたんです。そっち方面に進もうかなと思ってたけど、やめたんですよね」
「へえ、そうなんだ」
「でも子供には習わせたいですよね。ところでそろそろどこに向かってるか教えてくれないんですか?」
「まだ秘密だよ」
「なんか溝口さん、雰囲気変わりましたね」
 私は安藤友香からの問いかけを適当に誤魔化しながら、目的地に向かった。
 蜘蛛の会の建物の前に着くと、電話をした。沢田が出迎えてくれた。 
「こちら沢田さん」
 安藤友香は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにいつもの表情に戻った。
「はじめまして安藤です」
「どうも」
 私と安藤友香は待機室で飲み物を飲んでいた。彼女は明らかにここはどこだという雰囲気だが、口にするのを躊躇っていた。
「安藤さんはSMは興味ありますか?」
「いや、そういうなのはちょっと」
「見て欲しい映像があるんですよ」
 ノートパソコンを広げ、動画の再生を開始する。地下室で女装した私が沢田に責められている映像だ。
 画像が荒いので彼女は女装した私だということに気づいてない。
「あれ、男同士……?」
 彼女は食い入るように映像を見ている。一瞬でも女に思ってくれたのだろうか。なんだか嬉しかった。
 いつの間にか沢田が後ろに立っていた。これで厄介事は終わりだ。
 私は沢田に体を寄せた。そのズボンを脱がし、蒸れた男性器を取り出す。
 そのとき安藤友香がこちらを見た。時間が止まったように固まっていた。
 見せつけるようにしゃぶった。舌で絡ませ、下品な音を出して、激しく吸い上げる。
 安藤友香は部屋から飛び出した。
 男として大事な部分もまた一つ潰してやった。
「男の状態で奉仕してもらうのも悪くないな」
「上で着替えてきましょうか」
「いや、どうせ下着は女物だろう」
 やはりお見通しだった。



 持っていく荷物は意外と少なかった。
 家具や寝具は向こうにあるので必要ない。服は男物は全て処分するように命令されたので置いていく。あとの細々した物は鞄一つに収まる量だ。
 部屋はまだここで生活できそうな雰囲気があった。そして、それは男としての人生を続けることが出来るようにも感じれた。
「由紀夫さん」
 扉の向こうから母の声が聞こえた。
 開けると青い顔をした母が立っていた。
「お父さんが呼んでいるわ」
 要件はだいたい分かる。
 居間の定位置に、父が座っていた。これからもずっとそこに座るのだろう。
「安藤さんから連絡があった。今回の縁談を断るそうだ」
 対面に座る。父には随分と白髪が増えていた。
「どうせお前がなにか失礼なことをしたのだろう。今から謝りにいってこい。土下座でもなんでもしろ」
「向こうが僕を気に入らなかったんだよ」
「寝ぼけた事を言うな。この結婚でどれだけの金が動くと思ってるんだ。子供の遊びじゃないんだぞ」
 やっぱりそういうことなのだ。息子を政治家の娘と結婚させることで、自分は地位と金を手に入れる。他のことなど最初から考えてない。
「じゃあ、僕が断ったら何百億という損害だね」
「ふざけてるのか!」
「安藤友香は正しいよ。僕は彼女の前でちんぽをしゃぶったんだ」
「な、なに!」
「目の前で商売女みたいにしゃぶったのさ。お見合い相手がちんぽ好きだなんて、断って当然だろう」
「頭がおかしくなったのか」
「別に。僕、いや私は女の格好をして、男に抱かれるのが好きな変態だってことだよ」
「く、でてけ!お前はもう勘当だ」
「こっちもそのつもりだよ。仕事もやめるからね」
「こんな失敗作。お前のせいだぞ」
 父は母を怒鳴りつけた。殴りかからん勢いだ。いくら私でも掴み合いになったら負けると分かってるから、母に怒りの矛先きを向ける。姑息な人間だ。
「あんたが失敗なんだよ」
 そして、私は家を飛び出した。



 私は柏木家で生活することになった。二十四時間、女として振る舞うことが求められた。服装や立ち振舞はもちろんのこと、料理や掃除といった家事をやることとなった。元々は律子がやっていたことなので、それを手伝うという形なのだが。
 柏木と沢田は共に経営コンサルタントの仕事をしていた。週に何日かは二人の秘書として、事務仕事をしている。
 男だったときには考えられない毎日を送っている。

 蜘蛛の会。地下室。私は女装をして、沢田様の前に跪いていた。
 もう女装をしている感覚はなかった。日常的に女物を着ていて、むしろ男物を着るほうが不自然に感じるくらいだ。髪もそれなりに伸びた。まだ短いが美容院で女性らしい髪型にしてもらった。
 一枚の紙を差し出す。

 雌奴隷契約書。
 私、溝口由紀夫は男であることを放棄し、沢田様の雌奴隷として生きていくことを誓います。
 
 私の肉体、財産、社会的立場の決定権はすべて沢田様にお譲りします。
 
 いかなる調教、命令にも逆らいません。
 
 従順で淫乱な雌になれるように日々努力します。

 この奴隷契約書はかつて律子と柏木様の間で結ばれたものを同じ文面となっている。
 沢田様は署名をしてくれた。私も名前を書いた。女としての名前、由紀子と。
 紙一枚なのに改めて自分が雌の奴隷という実感が湧いてきた。
「お前は俺の所有物となった。身体はもちろんのこと心すらお前が自由にはできない」
「はい」
「俺が感じろと言ったら感じろ。勝手に気持ちよくなることは許さない」
「はい」
 沢田様の手が私の頬を撫でる。それだけで背骨に痺れが走り、乳首が起ち、尻穴が緩む。
 それだけではない。すでに私の股間は濡れていた。
 女が濡れるのは男性器を受け入れるためであり、男の先走り汁は精子を子宮まで届けやすくするためだ。それならば私のこの蜜液は何の意味を持つのだろうか。
「スカートをまくってみろ」
 私は言われるがままスカートの裾を持って、汚らしい下着を沢田様にお見せする。
「ぐちょぐちょになってるぞ」
 ああ、私の蜜液はきっと沢田様に蔑んでもらうために存在しているのだ。
「申し訳ありません。私は端ない雌です」
 沢田様は革靴を脱いだ。素足が私の眼の前に差し出される。言葉は何もない。ただ、目で「舐めろ」と仰っている。
 太くて硬い指を愛おしむように舌で咥える。汗の味がする。どのような場所であれ、沢田様の一部は私にとっては尊い存在。
「そこに寝ろ」
 硬い地面の上に横になる。股間が踏まれる。だんだんと力が強くなっていく。
「このまま潰してやろうか」
「はい、沢田様のお好きにしてください」
 私の雄としての決定権は沢田様に握られている。ちょっとした気まぐれで種無しになってしまう。
 今後の人生で女性と性交するつもりはない。しかし、それは私が決めることではない。沢田様が余興として私と女を交わらせることがあるかもしれない。
「親父は律子の一物はすぐに切ったからな。俺はぶら下げていたほうがいろいろと楽しめると思っている」
 股間から足が外された。痛みはすぐには引いていかない。余韻のようなものを残し、ゆっくりと留まっている。
「次はお前の番だ。フェラチオをしてもらおうか。ただ、手は使わずに口だけでズボンを下ろしてくれよ」
 沢田様は椅子に腰を下ろした。私はそこに顔を埋める。まずはベルトを咥えて、引っ張り上げる。なかなか上手くはいかない。革の部分を噛んで、徐々に引き抜いていく。
 息苦しい。犬のように呼吸が浅くなっている。
 チャックを下ろすのはさらに難しい。
 唇を何度も動かし、ようやく沢田様の下着が見えてきた。
 この布一枚隔てた向こうには、愛おしい肉棒がある。
「エリートだったんだろう。それが今じゃ落ちぶれたものだな」
 かつての同僚や上司が今の私を見たらどう思うのだろう。それ自体が一つの興奮の材料になる。
 下着を脱がそうとするが、これもすぐには出来ない。陰毛が顔に刺さる。口を左右に動かしながら、下着を下ろしていく。
 黒ずんだ性器が現れた。
「おっと、時間が掛かりすぎだ。フェラチオは良い。オナニーショーをやってもらおうか。女々しいお前に相応しい方法でな」
 私に相応しい方法とは、性器に触れないやり方だ。乳首と尻穴だけを使う。まずプラグを穴に挿れる。このときはなるべく淫乱にやらなければいけない。そうしなければ殴られる。
 それが終われば、上着を脱いで、ブラジャーをずらし、乳首を弄る。かつては意識もしてなかったのだが、沢田様の徹底的な責めで、雌の乳首になってしまった。
 色々な指を使い、刺激を与えていく。気持ちが良いのでつい耽ってしまうが、沢田様のお顔を見つめることを忘れてはいけない。
 満足そうにこちらを見ている。もっと喜んでもらわないといけない。私の自慰は自分が気持ちよくなるものではない。沢田様に喜んでもらうためのもの。
 尻穴の辺りに痺れが走った。思わず前かがみになる。すると性器から精液がこぼれ落ちた。それでも興奮は冷めない。
「乳首と尻穴で射精したか。完全に男として終わったな」
 沢田様は私の髪の毛を引っ張り、ベッドに連れて行った。
「さっきの射精は面白い見世物だった。だが、俺の命令なしに漏らすのは許さん」
「も、申し訳ございません」
「次から気をつけろ。さ、穴を広げろ。犯してやる」
 私は仰向けに寝っ転がり、足を上げて、手で尻を広げる。このとき沢田様に言わなければいけない言葉があった。
「マゾ女装のケツマンコに入れてくださり、ありがとうございます。精一杯、雌の務めを果たさしていただきます」
 これから私はどう堕ちていくのだろうか。


 END

肉便姫症候群5

兎二角さん肉便姫シリーズの最終話がアップされました。

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これまでなかったリアルエロ女装路線を開拓した肉便姫症候群。
揺れ動く沙姫ちゃんの恋の行方はどうなるのでしょうか。
読み終えたあと、あなたの「肉便姫」が目覚めちゃうかも。

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過去作が未読の人はぜひ読みシコりましょう!

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