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正義の味方 前編

本田裕也は上司の片岡に呼び出され喫茶店に来ていた。
「本田君は若いのに優秀な刑事だ。こんな部下を持てて私も嬉しい」
中年特有の加齢臭が鼻についた。
「とんでもありません」
「この間の事件も君がいなければ解決できなかったよ」
元々は片岡が担当していた暴力団絡みの事件だが、
サポートをしていた本田がほぼ一人で逮捕まで持ち込ませた。
「いえ、そんなことは」
本田は片岡を嫌っていた。
捜査のためなら汚いことも平気でするし、
下の人間を虫のように扱う。
そのくせ権力のある人間には媚びへつらうという
性根の腐りきった男だった。
「謙遜しなくてもいいんだ」
片岡はコーヒーを啜った。
本田は気づいていた。
こいつはなにか自分にやっかいなことを命令するのだ。
おそらくそれは公にはできないようなことだ。
だから、警察署ではなく外の喫茶店に呼び出した。
「奥さんは元気かね?たしか由紀恵さんだっけかな」
「ええ、おかげさまで」
まだこんなくだらない世間話を続けてるつもりだろうか。
男らしくズバッと本題を話したらどうなんだ。
「子作りはどうかね?そろそろ欲しくなる時期じゃないのか」
「あいにく忙しいものですから」
「ほう…」
片岡の爬虫類のような目がこちらを見た。
「実は君に頼みたいことがあるんだ」
「なんでしょう」
「潜入捜査をして欲しい」
ようやく本題かと思った矢先、本田は一瞬固まった。
「澤村組という暴力団なんだ。規模は小さいが、麻薬売買に関しては強いルートを持っている。
ここに潜入して、販売経路及び取引先を洗って欲しい」
警察官にとって上の命令は絶対である。必要であれば命をも投げ出さなくてはいけない。
しかし、潜入捜査はとても危険な任務だ。おまけに同僚どころか家族にも口外することは許されない。
本田の頭に由紀恵の顔が浮かんだ。
「危険な任務だと思うが、こんなことを頼めるのは君しかない。
お父さんのことは私も知っている。暴力団を憎んでいるんだろ?」
本田の父も警察官だった。仕事人間であまり一緒にいた記憶はないが、
正義のために戦う父を誇りに思っていた。
父は本田が高校生の頃に殉職した。捜査していた暴力団の組員に殺されたのだ。
そのとき自分が敵を取るんだと思い、警察官を志すことを決めた。
「分かりました。任せて下さい」
本田はぐっと拳を握り、覚悟を決めた。



本田はタバコを吸いながら、池本の話に耳を傾けている。
「首締めるとマンコが締まるって本当なんだよな。昔、レイプした女の首を思いっきりしめたら、
ギュギュって締め付けて、ちょー気持ちいいーって感じ」
隣に座っている須藤は手を叩きながらに大笑いした。
池本は得意そうな顔で本田を見た。
本田は愛想笑いを浮かべながら、タバコの火を消した。
「で、その女はどうなったんだ」
澤村の低い声が響いた。
「首絞めすぎて、死んじゃいました。んで、そのまま山に捨てました」
本田以外の三人は豪快に笑った。
「金田、お前さんはなにかそういう話はないのか?」
澤村が聞いてきた。
「…そうっすね。俺はエグいことばっかりやってきたんで
笑い話にはならないっすよ」
と言って立ち上がり、タバコ買ってきますといって事務所を出た。
本田は金田と名前を変えて、特殊なコネを使い、
組の事務所へ入り込むことに成功した。
主要な組員は3人。組長の澤村は40代の恰幅の良い男だ。鋭い目つきをしているが、
義理や人情を大事にする昔ながらのヤクザだった。
他に須藤と池本という二人の男がいた。
彼らは路上で喧嘩していたところを澤村にスカウトされ、組に入った。
一度切れると何をしでかすか分からない凶暴な男たちだ。
麻薬売買の情報を聞き出すには、彼らと信頼関係を作る必要がある。
しかし、ここ数週間で交わされた会話はどれも残忍な内容のものばかりであった。
殺人、強盗、レイプなどありとあらゆる犯罪が話題に上り、
それを面白おかしく話すことに本田は怒りを通り越して呆れてしまった。
自分が生きてきた世界とはまるで違う場所だ。



帰宅するとリビングのほうから灯りが漏れていた。
「おかえりなさい」
「なんだまだ起きてたのか」
由紀恵はパジャマ姿だった。時刻はもう12時を過ぎている。
「飯は外で食べてきたんだ。もう遅いから寝なさい」
「うん。なんとなくあなたの顔が見たくて」
本田は苦い顔をした。確かに潜入捜査が始まって以来、
由紀恵の顔をまともに見ていなかった。
「そうか、すまないことをした」
本田は由紀恵の頭を撫でた。
彼はこの艷やかで長い黒髪が好きだった。
「いいの。仕事をしているあなたのこと好きだから」
由紀恵の笑顔がすべてを洗い流していくようだった。
人間の汚い部分を嫌というほど見せつけられても、
彼女がいればきっと乗り越えていけると思った。
本田は由紀恵をやさしく抱きしめた。



「おい、金田。シャブを売ってみる気はないか?」
午前中、澤村に声をかけられた。夜に取引があるらしい。
本田は隙を見て、上司の片岡に連絡した。
「よし、そこで決定的な証拠を抑えられるな」
片岡は署員に集めて、タイミングを見計らい突入することを伝えてきた。
これですべてが報われる、本田はそう確信した。
取引場所へ澤村たちは車を出した。
須藤が運転をし、前に池本が座った。後方の席には澤村と本田が座っている。
「お前が出入りするようになって、1ヶ月ほど過ぎたな」
「はい、組長には良くして頂いて感謝しています」
「気にするな。古いかもしれんが、この世界は義理が大事だ。
須藤も池本もワシのためには刑期も食らうし、命も捨てる。
お前はその覚悟あるか?」
「……あります」
澤村の眼光はするどく本田を突き刺す。
「さっきも言ったが、ワシは義理を重んじる人間だ。
だから、嘘をつかれるのが一番嫌いでな。
これまで騙そうとしてきた奴らは必ず殺してきた」
本田は車内の空気が僅かに変わったことに気づいた。
「お前、ポリ公やな」
バレたと思った瞬間、前に座っていた池本が身を乗り出す。
バシッという音と共に火花が飛び散る。
スタンガンを当てられたことも気付かずに本田は意識を失った。



二人の男女が激しく求め合っている。
何度絶頂に達しても終わりを迎える様子はなかった。
お互いに絡み合っていくうちに肉体が溶けていき、
やがて二人の形は崩れていった。



目が覚めたとき、見たことのない天井があった。
本田は病室のベッドに寝かされていた。
意識がだんだんと覚醒していくと共に
痛みが全身を駆け巡った。
体は錆びついたように固まり、
瞬きをするだけでも激痛が走った。
胸の辺りに重さを感じる。恐る恐る触ってみると、硬いゴムの感触がした。
「気づいたか」
澤村が部屋に入ってきた。後ろには薄汚れた白衣を着た中年の医者がいた。
「澤村!」
声を出した瞬間に咳き込んだ。
「声帯をイジったから、まだ慣れてないんだろう」
医者はそう言いながら、本田の顔や喉をベタベタと触った。
「綺麗にできてます。さっき身体のほうも調べましたが異常はありません。
あとはホルモン投与ですな。髪はカツラでもかぶせておきましょ」
「これはなんだ」
喉から弱々しい高い声が漏れでた。
「刑事のお前はワシを騙そうとした。すぐにでも殺したいが、気が収まらない。
だから、お前には生きている限りの最高の屈辱を味あわせてやる」
僅かばかりの笑みを湛えながらも、声には殺気が篭っていた。
「もう気づいてるかもしれんが、身体のほう改造させてもらったぞ。顔の整形、
声帯に豊胸手術、尻周りにはたっぷり肉をつけてやったぞ、そしてタマ抜き。200万くらいは掛かったかな」
痛みの正体が分かった。
しかし、本田はまだ自分の身体がどうなったのか上手く把握できていない。
「これがお前の顔だ」
差し出された手鏡を覗くと、そこには見知らぬ女性が映っていた。
「これが…俺…」
丸みを帯びたおでこから嘘のように整った鼻が伸びている。
顎は綺麗な三角形のラインを描き、
目は二重になり涙袋まで付けてあった。
本田は慌てて下半身を触った。
竿の感触は確かにあったが、その下の睾丸がなかった。
「…うそだろ」
「これから玉なしのオカマとして生きていくんだ。全部取っても良かったんだが、
男だった証拠をぶら下げていたほうが惨めだと思ってな」
澤村と医者は笑った。
「お前のこと色々と調べたぞ。名前は本田裕也。じゃあ、これからは裕子だ
家族は嫁さんが一人。この女は誘拐させてもらったぞ」
本田は澤村に飛びかかろうとしたが、身体が上手く動かず、ベッドから転げ落ちた。
「安心しろ。まだ何もしてない。だが、お前が逃げたり、死んだりしたら、
嫁さんがどうなるかは分かっているだろうな」
顔を上げると澤村の勝ち誇った顔が見えた。
体が震え上がり、恐怖を感じた。
これまで数多くの悪人に対峙してきたが、初めてのことだった。
立ち上がることさえ出来ず、ただ澤村の足元を見つめるしかなかった。



数日後、本田は退院し、澤村組の事務所へ戻ってきた。
「へー、あの良い男がこんな風になっちまうのか。髪長いのはカツラか?」
「顔は完璧に女ですね。体はまだゴツイけど」
池本と須藤の視線に本田は戸惑った。
それは敵対や威嚇ではなく、好奇の目だったからだ。
「おい、須藤。お前の女に服を用意させろ」
いま本田は元々着ていたスーツを着させられている。
ワイシャツの胸の部分は膨らんでおり、
お尻は悩ましげに盛り上がっていた。
男物の服のほうが肉体の改造を強調していた。
「分かりました。これじゃ味気ないですもんね」
「オヤジ、俺もう辛抱たまらんです」
池本はズボンを脱ぐと、下半身を露わにしてきた。
「おいおい、まったくお前は猿か。まぁ、最初の一発だ。
おっと、その前に挨拶をしないとな」
「……本田裕子です……」
悔しさと恥ずかしさで本田は顔を真っ赤にした。
男の自分が女の名前で自己紹介するなんて考えたこともなかった。
しかし、いまはこれが現実なのである。
逆らうことは出来ない。圧倒的な弱者の立場に置かれていた。
「なんか男丸出しの声だな」
須藤が言うと、澤村はもっと女らしい声で喋れと怒鳴った。
「……ほ、本田裕子ですぅ…」
「いや、俺は前の声がいいな。ハスキーな感じで」
池本は本田の全身を舐めるように見ながら言った。
「お前はカマ好きだからな。おい、裕子ちゃんよ。
これからはこの池本みたいなホモの変態野郎の相手をするんだから
たっぷりと可愛がってもらえよ」
といって須藤は本田を突き飛ばす。軽い力だったがそのまま床に倒れこんでしまい、
自分が異様に力が弱くなっていることに気づいた。
かつての本田ならビクともしないはずなのに、いまは簡単に崩れてしまう。
もう自分の体が自分の物でないような気がしてきた。
「じゃあ、裕子ちゃんの最初のフェラいただきますよ。
あれもしかして男のときにシャブッてたことあったりする?」
池本は本田に自らの下半身を突き出し、ニタニタと笑いかけてきた。
「あ、ありません」
見慣れたもののはずなのに、妙に目についてしまう。
「まぁ、元男なら気持ちいいやり方はわかるでしょ。さぁ、舐めてくれ」
元男というフレーズが耳に残った。この事務所に入った時から、
男しては見られていない。対等ではなく、下の存在になっている。
「な、舐めるんですか」
本田は男性器を咥えることを想像して吐きそうになった。
顔を近づけるだけでも小便臭さがプンと漂い、顔をしかめる。
「さんざん今まで女にシャブラせてきたのに、いざ自分がやるってなったら嫌か?
なんなら奥さんに代わりにシャブッてもらってもいいんだぜ。俺は両方いけるからな!」
由紀恵の顔が浮かんだとき、覚悟を決めた。
迷っていることなど出来るはずがない。
愛する人を守るためにはどんなことでもやると決めたはずだ。
本田はゆっくりと舌を出し、一舐めした。酸味の強い味がした。
「そんなんで気持ちよくなるって思ってんのか?」
こみ上げてくる吐き気を必死で抑えつけ、口内に唾液を貯めて
男根を口に含んだ。そして、舌を絡ませ、吸い込んだ。
「なぁ、警官がヤクザのチンポしゃぶるってどんな気分だ」
横にいた須藤が聞いてきた。答えに戸惑っていると、須藤が腹を蹴りあげた。
池本の男根が口から外れて、本田はその場に蹲った。
突然の痛みで我慢していた吐き気がこらえられなくなり、嘔吐してしまった。
ほとんど胃液しか出なかったが、涙も出てきてしまった。
「ちょっとなにすんだよ。せっかく気持ちよかったのに」
「うるせえ。こいつには立場ってもんを分からせないといけないんだ。
おい、汚えカマ野郎!もうお前は男じゃないんだぜ。
これからたっぷりとそのことを分からせてやるから覚悟しておけ」
本田は自分が出た色々な液体が混じった床を見ていた。
彼は恐怖のあまり顔を上げることが出来なかったのだ。



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正義の味方 後編

本田は事務所の一室を部屋としてあてがわれた。
汗臭いベッド以外は何もない。
壁にもたれ、呆然と座り込んでいた。
舌に残る精液の味と感触、身体に残る暴力の痣と痛み。
顔に違和感が走った。手で触ると、涙が流れていた。
止めることも出来ずにどんどんと溢れ出る。
そのうちに声も出るようになり、
最後には嗚咽が止まらないほどになった。
訳がわからなかった。これまでこんなに泣いたことはない。
むしろそういう感情をコントロールしてきた。
恐怖、怯え、悲しみを力でねじ伏せてきた。
刑事という仕事はそうしなければ務まらない。
なのに、いまどうして自分は泣いているのか。
かつて己の内側から湧き出ていた何かが
ウソのように消えている。
あの手術のせいなのか、
あんなことで俺の正義が消えてしまったのか。
ひとしきり涙を流したあと、残ったのは絶望と不安だった。
自分のこと、これからのこと、そして由紀恵のこと…
「しっかりしろ!」
ここで折れてしまっては助かる見込みはなくなる。
幸いにも上司の片岡には取引のことを伝えている。
この事態を気づくのは彼だけ。いまは辛抱強く待つしかない。
(きっと手術のせいで一時的に情緒不安定になっているだけだ。
俺は何も変わっていない!俺は刑事だ!)



次の日、本田は水商売の女性が着るような派手なドレスを着させられ、
澤村たちの身の回りの世話をするように命令された。
「ワシの女にメイクを仕込ましてもらうぞ。あとこの錠剤は女性ホルモンだ。毎日飲め」
「こういう格好もたまらないなー。ぴっちりとしたドレスに浮き出るチンポがエロいんだ」
池本は鼻息を荒くしていた。
「ふん。ただ、キモいだけだろ」
須藤はノートパソコンを開け、本田に見せた。
「お前の嫁さんの由紀恵だがな。ここに動画がある」
画面には牢屋のようなところで手錠された由紀恵が映っている。
「あ、あなた、私は無事です。ここはどこか分かりませんが…とにかく安心してください」
泣きはらしたような顔をしていて、頬もこけていた。それでも声には強い意思があった。
しかし、それが逆に痛々しく、本田は胸が張り裂けそうになった。
「由紀恵!!」
たまらず画面に近づこうとしたとき、須藤は本田を蹴飛ばした。
「おいおいオカマは女らしくしないと駄目だろ。勝手に動くんじゃねえよ」
「須藤。あんまりやりすぎるな」
澤村はパソコンを閉じると、本田の前に立った。
「とりあえずお前が俺たちの言うことを聞いている限りは嫁の無事は保証する。
だが、ちょっとでも逆らったら、すぐに二人共あの世に行ってもらうからな。
ところで、お前はワシラのシノギを探ってたが、こないだそのブツが手に入った」
澤村はケースを机の上に置くと、中から注射器や粉を取り出した。
「おい、池本!準備しろ。須藤はこいつの体を押さえつけろ」
指示されたは二人はテキパキと動いた。池本は机の上で袋から粉を取り出し、
注射の準備をしていた。
「これはけっこうな上物だ。本当にぶっ飛ぶぜ。お前のくだらないプライドや正義がな」
「やめろ!やめてくれ!!」
必死に藻掻くも、上から須藤に抑えつけられて身動きが取れない。
豊胸手術で膨らんだ胸が床に潰れて、死ぬほど情けない気持ちになった。
次第に涙を流しながら、やめろ!と叫ぶ。
「うるせんだよ。このカマ。一発やりゃお前も気が変わるって」
池本は本田の腕に注射器を射しこんだ。

ドクン。心臓の鼓動が一つ高くなる。
次第にその音は連続して全身を駆け巡り、
体中の毛穴から抜け出ていく。
筋肉が緩んでいき、座ることすら出来ずに
床に這いつくばる。上のほうでは3人の声が聞こえる。
音は聞こえてくるのに、内容が頭に入ってこない。
意識は酩酊していくが体温はどんどんと上がっていく。
「じゃあ、俺が裕子ちゃんのバージンを奪ってもいいですか?」
「ふん。お前以外に誰がいるんだよ」
池本は本田をソファに運ぶと、ドレスをめくり上げで
お尻にローションをたっぷりと塗った。
拒もうとしても、体はまったく動いてくれない。
ただ獣のような池本が目に映るだけだった。
「このクスリをやってるうちは筋肉がほぐれるから
どんなでかい一発も受けられるんだよ」
男根がアナル口に当てられ、ゆっくりと入り込んでくる。
何の痛みもない。ただ異物が入ってくる感じしかなかった。
「これで裕子ちゃんも立派な女の子だよ」
「やぁ、はああ、あああああ」
喋ろうとしてもまったく舌が回らない。
「しかし、池本のカマ好きがこんなところで活かされるなんて
思ってもいませんでしたね、オヤジ」
「ああ、まったくワシらには理解しがたい趣味だよ」
池本はそんなことお構いなしに腰を降りだした。
本田の頭はもうすでにパンクしていた。
自分が一体どこの誰なのかすら曖昧な状態になっている。
「ああ、あああ」
そんな中、ピストン運動だけが彼に確かな感覚を植え付ける。
それは快楽だった。
「あ、ああああ」
声質が変わっていく。息が混じり初め、悩ましげな音が響く。
「なんか感じてるんじゃないですかね?」
「やっぱりもともとそっちのケがあったんだろう」
本田には何も聞こえなかった。ただ打ち付けられる欲望と熱さだけが
世界のすべてになっていく。これまでの自分が溶け出して、
新しい自分が出来上がりつつあった。
やがて本田のペニクリから薄い水のような精液がボトボトとこぼれ落ちた。
それは男としての最後の射精だった。



本田にとって地獄の毎日が続いていた。
憎むべきヤクザたちの身の回りの世話をしながら、
ときに下の奉仕までさせられている。
澤村は事務所に出入りする他所のヤクザに
こいつは元刑事で志願してオカマになって
俺たちと一緒にいるんだなどと嘘を喋りまわった。
屈辱を感じながらも、否定することはできない。
罵られ、馬鹿にされながら、それでも妻のためにと思って、ただ耐えた。
いつかこの日々は終わると信じて。

数ヶ月が過ぎると、肉体に大きな変化が現れた。
肌や髪質が柔らかくなり、筋肉は細くなり、脂肪がついた。
体が丸みを帯び始め、胸がさらに大きくなった。
体臭も女性特有の甘い匂いに変わり、同時にヤクザたちの見る目に
嘲笑や侮蔑といった類のものから、雄が雌を見るときの
特有の嫌らしさを含むようになってきた。
去勢のおかげで女性ホルモンの効きが強くなり、
整形のせいもあるがもともとスタイルがよく顔も整っていたので、
かなりの美人な女性に見えるようになっていた。
しかし、そんなことなどは彼自身には何の悦びももたらさなかった。



ある日、池本と須藤は本田を外のホテルに連れ出した。
「今日はオヤジはいないけど、お仲間をたくさん連れてきたぜ」
池本はそう言いながら部屋に入っていく。広い部屋で中には4〜5人の男性がいた。
年齢や体型はみなバラバラだったが、垢抜けない雰囲気は共通していた。
「ここにいるのは人生の敗北者。俺の友達がやっている金融屋で金借りた人たちね。
返せる当てもないのに金ばっかり借りて、あげくどうしようもなくなった感じ。
ただ、こいつらはちょっと変わった性癖を持っていて…まぁ俺と同じカマ好き」
男たちのねばりつくような視線に鳥肌が立ちそうになった。
「これから返済で臓器売られるか、タコ部屋に沈められるかっていう
可哀想な人たちのために俺が人肌脱いだわけ。彼らに裕子ちゃんを好きにさせてあげるってこと」
「えっ・・・そんな」
普段のヤクザへの奉仕とはまた違った嫌悪感。不潔というか、生理的な拒否感があった。
「この日のために一ヶ月禁欲生活させちゃったんだ、もうやつら獣のようになってるぜ」
「おい、池本。さっさと始めようぜ。そこのデブ!おまえカメラ役な」
須藤が痺れを切らしたように怒鳴った。デブと呼ばれた男性は慌ててビデオカメラを用意し始めた。
「なんだよ。こういうのはじっくりやらないと気分でないだろ」
「知るか。おい、オカマ。衣装も用意してるから着替えろ」
そう言って渡されたのは、女性警官の服だった。
「こ、これって」
「高ったんだよ。裕子ちゃんのために奮発したんだぜ」
紺色の上着に袖を通し、スカートを履く。大きくなったお尻が強調される。
まさか自分がこの服を着ることになるなんて、羞恥心で心が張り裂けそうになった。
「あと、これを持ちながら、カメラに向かってこの紙に書いていること読んでね。
これで裕子ちゃんもAV嬢デビューだよ」
「おい、カマ野郎。これマジで裏物として出すからな!」

デブは鼻息を荒くしながら、カメラを本田に向けた。
「皆さん、こんにちは。私は元刑事の本田というものです」
本田は警察手帳をカメラに見せた。そこには男だった頃の自分が映っている。
正義の証でもある警察手帳をこんな風に使わなければいけないなんて。
これまでの刑事人生が頭の中にフラッシュバックされていく。
それを必死に振り払い、屈辱にまみれた文章を読み進める。
「チンポ好きの変態オカマの私は、澤村組に自分からお願いして、玉を取り、
女性ホルモンを打ちました。今では毎日逞しい男の人たちのお世話をしています」
最後のほうはもう涙を流すしかほかなかった。そうしなければ心が壊れてしまうからだ。
「よし、お前ら。このカマを取り囲め!」
須藤の号令で男たちはいそいそと本田の周りを囲み、自分のイチモツをゴシゴシと扱き始めた。
(く、臭い)
動物的な匂いに思わず顔をしかめそうになった。
「じゃあ、裕子ちゃん。カメラの前でみんなにご奉仕しようか」
言われるがまま男たちのイチモツを手で扱き始めた。
何人かはすぐに発射してしまい、彼の顔に濃い精液が飛びかかった。
「ぎゃははは、こいつらマジ早すぎ」
「裕子ちゃん、ちゃんとお礼言って」
「…裕子にかけて頂きありがとうございます」
男たちはよほど貯まっていたのか、一度の発射だけでは収まらずに
そのあとも何回か繰り返した。紺色の婦警の制服が白いザーメンで埋め尽くされていく。

「っち、なんか俺もムラムラしてきたな」
「なら、外行ってこいよ。俺はここで監督やってるから」
「めんどくさい。ここで一発やらしてもらうわ」
須藤は男たちを追っ払うと、本田をベッドに突き飛ばした。
乱暴に上着を脱がすと、スカートをずりあげて、パンティストッキングをビリビリに破いた。
「マジ、婦警をレイプしてるみたいで興奮するぜ」
「おい、須藤!お前は別にカマずきじゃないだろ」
「構わしねえよ。もうこいつはどう見ても女だ」
あの須藤が自分を女扱いしているなんて信じられなかった。
あっという間に須藤の肉棒が本田の中に入っていく。
「へへ、女より締まりが良いな。なぁ、俺のちんぽはどうだ?」
「き、気持ちいいです」
「あ?聞こえねえよ!」
須藤は思いっきり尻を叩いた。
「おい!池本!クスリあるだろ、こいつにぶち込め!」
「えっ?でも…あれって…」
「早くしろ!!」
クスリという単語を聞いた瞬間に本田の体は奥から熱くなった。
最初の日にお尻を犯された日以来、セックスするたびにクスリを打たれている。
またドロドロとした地獄に落とされるのかと思う一方で、
あの瞬間だけは何もかもが解放されて救われた気持ちになるという
相反したものが交差している。今まで何度もクスリを打たれ犯されるたびに
男のときでは味わえない快楽を体に叩きこまれてきた。
そんなものはクスリのせいにすぎないと思っていても、
抗えない自分がいるのも確かだ。
池本は手早く準備を終えると、本田の腕に注射をした。
まもなく視界が歪み始める。
「あ、あああ、あああああ」
「くくく、いい感じでアヘってきたな。おい、メス犬!チンポ気持ちいいか?」
「は、はい。と、っても気持ちいいですぅ」
突き上げるような快感と自然と溢れ出る服従の言葉。これは自分じゃないと思いながらも、
だんだんとそちらに引きづられていく。
「おい、警察手帳持って来い!」
男の中の一人が本田に警察手帳をつきつける。
「どうだ、こんな良い男が今じゃヤクザにチンポ入れられてアヘってるんだぜ」
「あ、ああ。だめ、でも、感じちゃううぅ」
「くそ、須藤。早く変われよ!あともつかえてるんだからな!」
「うるせーよ。おい、裕子ちゃんよ!今日は男たちにたっぷり可愛がられるんだからな!幸せだろ」
「は、ひゃい。し、幸せですぅ。裕子、幸せです」
よだれを垂らしながら、喘ぎ声を部屋中に響かせる。

それから裕子は何人もの男に徹底的に犯された。
イカ臭い匂いに囲まれ、やがて意識が飛んでいく中で
はっきりとした満足感を感じ始めていた。



鏡の中には女に変わり果てた自分がいた。
ずいぶんと時間が過ぎてしまった。
上司の片岡からは何の連絡もないし、
妻の由紀恵の安否はいまだ不明。
異常な状態だが、いつのまにか日常になりつつある。
身のこなし、喋り方が無意識のうちに女性的になっている。
そして、セックス。
かつての自分であれば男とするなんて考えられないことだ。
なのに今ではそれを楽しんでいる。
最もそれはクスリのせいだ。麻薬で人格が変わることはある。
どんなに強靭な意思を持っていても抗うことはできない。
だから、ある意味で自分ではない自分が感じているのだ。
裕子という存在。本当の自分ではない。
しかし、時々に体が疼くときがある。
圧倒的な力で犯され、嬲られ、雌として扱われる。
そのときの快楽を欲してしまうのだ。
きっとこれもクスリのせいに違いないが…

ある日、澤村は一人で本田と出かけた。
いつも一緒に行動している池本と須藤はいない。
連れて行かれたのは、歓楽街にあるソープだった。
「ここはワシが経営しているソープの一つだ」
中に入ると支配人らしき大柄の男性がいて、
奥の部屋を案内された。
部屋には更衣室のようなエリアと奥には浴室があった。
「どうするか分かるな?」
「…はい」
「まずは男の服を脱がすんだ」
本田は澤村のジャケットを脱がし、シャツのボタンを外して行った。
「ここの女ってのはだいたい借金返済のためか、
他の風俗で稼げなくなったからくるんだ。まぁ、ソープってのは
肌がカサカサになるからあんまり長くは続けられないんだがな」
背中の刺青に書かれた龍の瞳が本田をじっと見つめた。
「そんな場所で同じように男の服を脱がしている気分はどうだ?」
言葉が出てこない。悔しさと情けなさで胸が張り裂けそうな気分になったが、
それを口に出せば、殴られるに決まっていた。
「ふん、お前も脱ぐんだ」
「もう身体つきはすっかり女だな」
澤村は柔らかいがまだ少し硬さの残った胸を玩具のように握った。
「ワシは池本とは違って、カマ好きじゃない。だから最初はお前をどうこうする気はなかった。
でも、予想以上に女になったお前を見て、少し気が変わった。まぁ、女遊びは一通りやり尽くしたから、
お前で遊ぶのも悪くないと思ってな」
浴室に入ると、澤村は椅子に座った。
「そこに正座しろ」
「…はい」
「体を洗ってもらおうか」
「はい」
本田は記憶を辿りながら、まずはシャワーを出し、自分と澤村の身体を濡らした。
そのあとでボディソープで泡を立てて、身体に塗りたくり、澤村の身体にこすりつけていく。
「元刑事がいまじゃソープでヤクザの相手をしていると思うと、世の中何がどうなるか分からんな」
膨らんだ胸が刺青の入った背中をなぞっていく。自分には失われつつある男の硬さを肌で感じた。
「壺洗いってのがあるが、裕子の場合は竿洗いかな」
ガハハと豪快に澤村は笑い、泡立った手で本田のペニクリを触った。
ヌルヌルとした甘い感触が気持よくて、思わず動きが止まった。
「おい、なに自分だけ気持ちよくなってるんだ」
「す、すいません」
「ワシのこの指でたくさんの女を堕としてきた。まったく女ってのは簡単な生き物だ。
一本でもマンコに突っ込んでやれば、ヨガりくるって、すぐに服従してきた。なあ、裕子よ」
指の一本がするりと滑り、本田の菊門に入ってきた。
「あ、ああ」
不意の侵入に自然と声が出た。
「そして、この指でたくさんの男を殺してきた。こっちも簡単だ。拳銃の引き金を引けば終わる。
とくに若いころは組を嗅ぎつける刑事の奴らを殺してきた」
「お前はどっちだ?イカされる女か、殺される男か」
「……女です」
俺は男だ、と思ったこととはまったく逆の言葉が口から出てしまった。
「同じ刑事を殺してきた指をケツ穴に突っ込まれて、気持ちよくなっている気分は?」
澤村の言葉責めは本田の刑事としての誇りを徹底的に虐めていく。
屈辱、怒り、惨め、色々な思いが頭を回ったが、同時に快楽を感じているのも事実だった。
互いの感情は一方が強くなると、もう一方も強くなる。プライドをズタズタにされるほどに、
性の快楽が深くなっていく。
「この世は弱肉強食。強いものが生き残るんだ。弱いものは強いものに媚びて生きていくしかない。
裕子がそれを身をもって実感しているはずだ」
男として中途半端な身体になってしまった自分は、おそらく普通の社会では生きていけない。
もう澤村に頼るしか生きていく道はないのだろうか
「…はい、そのとおりです」
自分が今まで信じていた正義というのはなんとちっぽけなものなのだろうか。
現実はケツ穴に指を突っ込まれて感じている変態がいるだけなのだ。
「くはははは。お前は単なる遊びだと思っていたが、俺の女にしてやる。
元刑事がヤクザの情婦になるってのも面白いだろ」
澤村は強引に本田の身体を引き寄せ、貪るような接吻をしてきた。
拒むことも出来ずに、ただされるがままに本田は応じた。
そこにかつて男だった本田の面影はなく、
雄に犯される雌そのものの姿だった。



由紀恵が微笑んでいた。
テーブルの上には朝食が並び、コーヒーの香りが漂っている。
それはいつもと変わらない朝。また始まる新しい1日。
食べようとしたときに自分の体に気づく。
硬く発達した筋肉はどこにもない。
長くなった髪、柔らかな白い肌、膨らんだ胸。
そして、平らになった股間。
なくなっている…
再び由紀恵を見るが、まるで写真のように動かなかった。

目が覚めたとき、すっかり見慣れた狭い部屋が目に入ってきた。
夢だったのか。
悲しさなのか安心なのかよく分からない感情を抱きながら、
なんとなく股間についてある自分のモノを確認した。
いまや親指ほどのサイズになっている。
外見はどう見ても女性になってしまい、
これが唯一の男だった証となっている。
とはいえ、排泄以外の使いみちといったらヤクザの玩具くらいのものだ。
いっそ、こんなものは切ってしまったほうがいいのかもしれない。
鏡に映る自分を見ながら、ふとそんなことを思ってしまった。

ある夜、本田は澤村の頼みで買い出しに出掛けていた。
澤村の趣味で水商売の女性のような派手な格好をさせられている。
夜の繁華街を歩くと、何人もの男に声を掛けられた。
「ねえー、どこのお店ー」
「俺と一緒に遊ぼうよー」
「お金払うからさー」
そんな欲望丸出しの言葉を投げかけられる。
人混み中をすり抜けていく中、ある男が目に入ってきた。
「片岡さん!」
思わず声が出てしまった。上司の片岡がいたのだ。
片岡の不審そうな視線を他所に本田は駆け寄る。
「片岡さん!自分です!本田です!」
「いや、私は君のような知り合いは…」
「違います。部下の本田です」
「なにを馬鹿なことを…」
立ち去ろうとする片岡の腕を引っ張って、路地裏に入った。
「僕です。本田裕也です。あなたに命令された澤村組の潜入捜査中なんです」
「馬鹿な。本当に本田くんなのか。その姿は一体」
「これには色々と事情があるんですが…それよりもどうして助けに来てくれないんですか!」
泣きそうになるのをこらえながら詰め寄った。
その様子は端から見れば、男女の痴話喧嘩そのものである。
「すまない。私も助けたい気持ちはあったのだが、実は上層部で澤村組と繋がっているものがいて、
圧力をかけられ動けないのだよ」
「そ、そんな…」
信じていた警察がまさかヤクザと繋がっているなんて。
本田は絶望的な気持ちになった。
「ゆ、由紀恵が誘拐されて、やつらに監禁されてるんです。彼女だけでもなんとか助けてもらえませんか?」
「なに?由紀恵さんが。…そうか、そこまで発展しているのか。もう、圧力どうこうは言ってられんな。
本田くん、時期が来たら私が動く。大丈夫、由紀恵さんの安全は必ず守るから」
「お願いします…お願います」
これで地獄が終わる。本田はそう確信した。

数日後、事務所で簡単な作業をしていると、澤村が手招きした。
いつものやつだ、本田は思った。
机の下に潜り込み、ズボンのチャックを下げる。
ムワッとした汗臭さが鼻孔を突く。
「そろそろ溜まってるんじゃないか」
図星だった。毎日のように行われていた組員たちの性欲処理が
ここ数日はまったくなかったのだ。
そのせいでクスリを打ってもらうこともできず、
身体が疼いていたことは事実だ。
「いえ…そんなことは…」
言葉とは裏腹に喜びを感じている自分もいた。
(もうすぐ終わるんだこの地獄は)
絶望の暗闇の中に射しこんだ唯一の光は
本田が忘れかけていた男の意思を呼び覚ました。
(片岡さんが助けてくれる。由紀恵もきっと…)
頭の中ではそんなことを考えながら、
澤村の男根を咥えると、馴染んだ味が舌に広がっていき
身体がカッと熱くなっていった。
これもクスリの副作用だ、本田は身体の反応を否定しながら、
しかし丹念に男根を舐め始めた。
「ちんぽ上手いか?」
「はい、とっても美味しいです」
ジュバジュバと音を立てながら、男根を吸い込んでいく。
だんだんと身体の疼きが激しくなり、無意識に自分のモノを扱いていた。
とはいえ、握ることすらできない大きさになりさがったモノは扱くというより、
指で摘んで弄るといった感じだった。
「ハメて欲しいか?」
「…はい。組長さんのおちんぽ、私のケツマンコに挿れてください」
いつのまにか須藤や池本が近くにいた。ニヤつきながら、本田を見ている。
「よし、じゃあワシはここに座っておくから、自分で挿れてみろ」
「…その前におクスリ…」
「ん?まぁ、一発やってからのほがいいだろ」
本田は仕方なくお尻にローションを塗り、澤村に跨がり、ゆっくりと腰を下ろしていった。
「あ、ああ、あああん」
男根が奥へ入っていくほどに、口からは甘い吐息が漏れる。
すべてを飲み込んだときには、本田はすっかり発情した雌となっていた。
腕を澤村に回し、抱きつきながら、腰をグラインドさせる。
「あ、あぁぁん」
気持ちいい。頭の中にはそれしかなかった。
全身が蕩けていきそうで、男であったことなんてすっかり吹き飛ばされる。

「お取り込み中のところ申し訳ないね」
その声を聞いた時、本田の動きは止まった。
振り返ると、そこに片岡がいたのだ。
「か、片岡、ど、どうして」
本田が男根を抜こうと身体を動かしたとき、
澤村が強い力で引き止めた。
「い、痛い」
「ほほう、もうすっかり女だね」
片岡がこちらに近づいてくる。
「片岡もどうだ?」
「あいにくそっちの趣味はないものでね。
まぁ、これだけ可愛かったらシャブるくらいはしてもらおうかな」
「……なんで、どうして……」
片岡はしげしげと本田の身体を見つめ、玩具を触るような手つきで胸を揉み出した。
「本田くんは優秀な刑事だ。優秀すぎるほどね。君が先走って解決した例の事件。
実はあの組織と私は裏で繋がっていてね。非常に痛手を受けたわけだよ。
腹の虫がどうしても収まらなくて、なんとかしたいというのを澤村組長に相談したら、
こういうのはどうだっていうのを提案されてね」
片岡の手が本田の肌をなぞっていく。
「最初は馬鹿なと思ったよ。まぁ、でも実際に君を見たら、ここまで男が女に変わるのかと驚いたよ。
ついこないだまでは刑事だった君がいまやヤクザの情婦だ」
「う、うそだ…」
「否定したい気持ちもわかるが、現実だ。最初の計画では適当に遊んで殺すところだったが、
君があまりにも魅力的になったから、別の利用価値が出てきたんだ。極道の世界はニューハーフ好きが多くてね。
これからの君はそういう人たちの相手をするのが仕事になるんだ」
片岡は本田のペニクリを指でつついた。
「驚いたな。こんなに小さくなるのか。これじゃあ、もう奥さんは満足させられないな」
「ゆ、由紀恵はどうしたんだ?」
「ああ、連れてきたよ」
事務所の入り口のところに女性が立っていた。
片岡はそれが由紀恵だと言わんばかりの顔をしているが、
本田はその女性が妻の由紀恵とは思えなかった。
ガリガリにやせ細り、目は虚ろで、立つことすらおぼつかない。
「ほ、本当に由紀恵なのか」
「ああ、薬漬けにしたら、ああなったよ。いまは風俗嬢だが、あんなんだから客はつかないがな」
「薬?」
自分も薬を打たれたのに、なぜあんな風にはなってないのか疑問に思った。
「おい、腰が止まってるぞ」
澤村が本田の尻を叩いた。
「きゃ」
「お前が動かなきゃ、俺が動いていやるよ」
澤村が腰を動かし始め、本田の感じる部分を的確に擦り上げていく。
すでに澤村は本田の雌のポイントは知り尽くしている。
「あ、あああん、だだめ」
湧き上がってくる快楽がまた思考を奪っていく。
こんなに酷い状況なのに、どうして気持ちいいんだろうか。
「実はな、お前に打ってたのは薬じゃない。ただの粉末だ。」
「う、うそ。だって、あんなに、あああん」
澤村の責めのせいでしゃべることすらできない。
「最初は本物を使っていたけどな。途中からは何の効果もない粉を使った。
なのに、お前はあんあんとあえぐんだからな。おかしいったらなかったよ」
あの快楽は薬のせいだと思っていたのに、それが嘘だったなんて。
じゃあ、なんであんなに感じていたのか。
我慢できないくらいに身体が疼くのか。
欲望を欲してしまうのか。
そうか、そっちが本当の自分なんだ。
私は男なんかじゃなかったんだ。
そう気づいたとき、心の中で何かが弾けた。
「あ、ああん。もっと、もっと突いてぇ」
「へ、なんだ急に盛りがつきやがって。たっぷり雌にしてやるからな」
「あん、もっとアタシを女にしてぇ、可愛がって〜」
片岡はおやおやと呟くと、由紀恵を外へ連れだした。
「元旦那があんな風になってどんな気持ちだ?」
その問いかけに由紀恵は無反応だった。
「すっかり壊れてしまったな」

その後、本田は別の組の幹部の愛人となり、偽の身分を作り上げ、
まったく別人として暮らしている。男だった頃の記憶はもう遠い過去になり、
今では女であることがすっかり心と身体に馴染んでいた。


END